木製食器に挑戦したい僕の試行錯誤 vol,1 可能性

「食器」と聞いて、貴方は何を思い浮かべますか?
多くの人は、お茶碗やお皿など、陶磁器製のものをイメージするのではないでしょうか。

確かに、現代の食卓では陶磁器が主流ですが、

別の記事(最下段)でも書いています様に、元々、木製食器には陶磁器にはない利点があるはずです。

しかし、
20世紀にプラスチックが開発されると、「重い」とか「割れやすい」と言った陶磁器の欠点を補う物としての木製食器はプラスチック製に置き換わってしまいました。

僕の娘に至っては、漆塗りのお椀に向かって
「えっ、これ、木でできてるの_」と言う始末ですから悲しいです。

とはいえ、
最近では、環境問題への意識の高まりや、自然素材が見直される中で、木製の食器が再び注目を集めています。
お弁当箱として人気の高い大館の曲げわっぱが良い例です。
嬉しいです。

では「木製食器」と聞いて、何を浮かべますか?

前述の「大館の曲げわっぱ」ももちろん木製食器ですが
多くは、お椀、お皿、あるいは、箸やスプーンなどではないでしょうか。

木製食器は大きく分けて二つのタイプがあります。

一般的には、一つの木の塊(ブロック)からノミや彫刻刀あるいは木工旋盤などで削り出した物が主流です。〜彫物タイプ
お椀やお皿、その他、多くはこの方法です。

対して
木材を一旦板状にした後、接着・組み立ての工程を経て器にしています。〜指物(さしもの)タイプ
「大館の曲げわっぱ」はこの方法と言えるでしょう。

指物タイプの利点としては
ブロックからの削り出しに対して圧倒的に材料の消費が少ないことです。
環境への負荷と言う観点からも意義がありそうです。

欠点としては
工程が複雑多技になることです。

ただ上記の利点/欠点は作る側の問題で
使う側=消費者の立場に立てば関係ないことですね。

重要なのは使いやすさ・耐朽性・価格・そして安全性

使いやすさについては
木材が主材料である点に代わりはないので
食洗機や電子レンジが使えないと言った木製食器の欠点は同等でしょう
あとは形状に依るところが大きいと思います。


価格については
削り出しタイプは原材料費の割合が大きくなると思うので、原木が安価なら製品も安価、原木に拘ればそれはそのまま製品価格にはね返えると思います
指物タイプは板材から形にしていくので材料のロスが少なく
その点では材料費の影響力は少なく選択肢が広がりますが、形状が複雑になり作業工程が増えればそのまま価格に跳ね返ります。
つまり指物タイプの物づくりは、単に最終形態だけではなく、そこに至るプロセスまでしっかりデザインしないとただの自己満足になってしまいます。


その意味で、大舘の曲げわっぱはニューヨーク近代美術館に貯蔵されても良い程のグッドデザインだと個人的にはリスペクトしているのですが、

同時に、デザインと言う行為の可能性としては、俄然、チャレンジしがいのある分野だと思います。(個人御感想です)

そして、耐久性や安全性については

指物タイプにはは接着と言う工程があることです
(*削り出しタイプでもブロック状に集成する場合は接着工程がありますが、、、)
つまり
接着の強度や、接着剤の安全性と言ったことが大きな課題になります。


逆に言えば、その問題がクリアーできれば、
あとは製作工程も含めたデザイン次第!と言うことではないでしょうか?

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

最重要課題=接着剤
については、vol_2につづきます。

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